SPIDER Special Interview
SPIDERで得られる”ライフスタイル”――これは何事にも代え難い

■ SPIDERは個人視聴のメディア

――夏野さん自身は、SPIDERをどのように使っていますか?「いつも見る」とかは使っていますか?

 一番よく使うのは、帰宅してからニュースを見るという使い方ですね。家にニュースの時間ピッタリに帰って来れるわけではないから、とりあえず着いた時点でその時点での最新のニュースをチェックするんです。
 「いつも見る」は使っていませんね。これを録っておこうという概念がなくなってしまいました。つまり、悪い話としては、(番組が)いつでもそこにあると思い込んでしまっているだけに見逃すドラマとかも増えてしまいました。ただ、実はぜんぜんそれでもいいと思えるようになってきました。いいテレビ番組は、結局、しばらくするとまた再放送されるわけですから。
 私は他にもHDDレコーダーを6台くらい使ってきましたが、これまでのHDDレコーダーだと、見ようと思って自分で予約して番組を録るんだけれど、そのうちこれが溜まり過ぎて、結局は重荷になって見ないことが多いんです。
 SPIDERにも、記録期間が過ぎても番組を見られるように、気になった番組を保存する機能がありますが、そうやって保存した番組って結局、見たためしがないですね。
 そうじゃなくって、SPIDERだと、テレビを見られるときに、1週間で次々に番組が流れていっている中から、一番いい番組だけをつまみ食いできる感覚が楽しいんです。

――なるほど。

 だからSPIDERを使ってテレビを見るときは、まず番組表を開いて、そこから気になる番組をちょっとずつ見ることが多いですね。
 そう、これってちょうど昔、暇になったときに「何をやっているんだろう」と新聞のテレビ欄を開いていた感覚に似ていると思うんですよ。ただ、SPIDERの場合は、そこからいきなりその番組を実際に見れてしまうというライブ感があるけれど。
 で、なんか番組を再生してみて、話題の新製品が出ていれば「あ~、そういえば先日話題になっていたな」とか、例えば人気のインタビュー番組を見て「今はどんな人を取り上げているんだろう」とか、「あ……F1、やっていたんだ」と言ってはそれを再生してみたりとか、まさに新聞のテレビ欄の延長ですよね。
 で、こういうことをやっていると平気で一時間くらい経ってしまうんです。

――なるほど、結局、どれかの番組1つを見るのではなくって、いろんなのをザッピングしているわけですね。

 そうなんですよ。ただ、これって実は思いっきり個人視聴なんですよね。この見方をしていると、横にいる奥さんが「ちょっとなんで替えるのよ」と怒るんです。
 でも、逆に僕がいないときは、奥さんがそうやってテレビを見ているんですよね(笑)。
 そういう意味ではSPIDERは、本当に個人メディアなんだと思います。

――なるほど、おっしゃる通りですね。

 あと、もう1つたまにやるのが、最近、何かものを買おうと思い立ったときにSPIDERでCMを見ちゃいます。この間も最初はある車を買おうと思ってCMを見たんですが、CMを見て、今のメーカーがその車種の本来の魅力をぜんぜん理解していないということを強く感じてやめてしまい、これまたCMの印象がよかったヨーロッパ車を買うことに決めました。
 実はそれ以外でも検索を使ってCMはよく見ていますね。
 テレビのCMって、わざわざ見たいモノですよね。CMしていそうなものを思いつくと、とりあえずSPIDERで、「どんなCMをやっているんだろう」と探しちゃいます。
 CMって、やっぱりものすごく作り込まれていて、秒単位のクリエイティブ単価が高いわけですよ。なので、見たい番組がない時に「そういえば、あのCMどうなんだろう」って結構CMを検索しちゃいますね。

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