SPIDER Special Interview
3年間隠し通した秘密兵器

■ 毎日最低1時間、週末には1週間を振り返る

――小倉さんは大変お忙しいと思いますが、SPIDERは毎日使っていらっしゃるのでしょうか。

 使わない日はないですね。この前、もう1つの仕事場にも入れたいと思って、業務用のSPIDER PROを1台発注をさせてもらったところです。こちらの自宅は都心から離れているため、続けて仕事があるような時には、戻って来れないこともあるんです。向こうの仕事場には、今、Blu-rayのレコーダーは入れてあるんですが、これだと結局、録画するときにその場にいなければならず役に立たない。それよりは、やはりSPIDERを自宅と仕事場の両方に置いた方が絶対的に効率がいいと思いました。本当は自分がよく行く場所、全部に置いておきたいくらいです。

――実はSPIDER PROは、アイ・オー・データ社の「Slingbox」やソニーの「ロケーションフリー(ロケフリ)」という機械と組み合わせれば、パソコンやスマートフォンを使って外出先からでも見ることができるんですよ。

 ええ、確かにそれは以前に聞いて知っているんですが、やはり、そんな面倒なことをするよりは2台置いた方が手っ取り早いです。
 実はそれについては(大リーグ、ボストン・レッドソックスの)松坂大輔投手に「そういうことができるんだけれど、いる?」って聞いたら、欲しいって言うから「そのうちなんとかするから」と約束しているんですよね(笑)。

――「ロケフリ」や「Slingbox」のような機器はSPIDERと組み合わせれば、場所や時差の問題も超えて、観たい番組を、観たい場所、観たい時間に見られるのでとても便利です。ただ、接続や設定が面倒なのでSPIDERに内蔵したいですね。
 ところで小倉さんは1日に、どれくらいSPIDERを使っていらっしゃるんですか?


 どんなことがあっても最低でも1時間は使っていますよ。録画済みの番組で良さそうな番組から順番に観ていきます。

――AV評論家の麻倉怜士さんは「全録」のいいところは、意識していなかったような番組と出会えることだといっていますが、そういう出会いも多いですか?

 そうですね。僕は毎週土曜日や日曜日にもう1回、番組表を使ってもう1度、1週間の番組を遡って見直すんですよ。
 この1週間を遡るチェックには、自分が出ている番組とかで、保存し忘れていたものがないか、といったことや、人に「あの番組、あのドラマが良かったよ」と勧められていて、観忘れていたものがないかを確認するのが目的なんですが、そこで「あれ、こういうのがあったのか」といった具合に番組を発見して、横並びの番組も含めてチェックをしておくことも多いんです。
 また、1週間通しで見直してみると、同じニュースでも、味付けが変わってくる様子がわかっておもしろいんです。

――SPIDERを使う時は、検索よりも番組表を使って見ることが多いんでしょうか。

 そうですね。ほとんどは番組表から見ています。ただ、CM制作の裏側的な番組をやっているのですが、ここではCM検索の機能がとても役立っています。
 特定のCMを観たいと思っても、普通はなかなか観れませんからね。

――他にはどんな使い方をしていますか?

 例えば今、「とくダネ!」の「朝のヒットスタジオ」というコーナーで、30年から15年くらい前のヒット曲をやっているのですが、そういうコーナーをSPIDERを使って簡単に編集してDVDに残したり、といった使い方もしています。
 僕の場合、仕事にも遊びにも両方使えるんで、世の中で僕が一番重宝しているんじゃないかと思っていますよ(笑)。
 これまで出たことがない番組から出演依頼が来たときって、通常はこれまでの放送のビデオなどが送られてくるんですが、今では「いいよ、いいよ、観ておくから」ってね(笑)。
 特にこれまでの放送を見てくれと言わないような番組でも、SPIDERであらかじめ予習しておけますしね。 僕にSPIDERのセールスをやらせてくれれば「こういうの使わないようじゃ、この業界じゃついていけないよ」といってみんなに宣伝をするんですが(笑)。
 できれば「SPIDERで見た」っていえば、それだけで先方にもどういうことかっていうのがわかるくらいに成功してほしいですね。

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